2014.01.29
コラム|大分の演劇人から見た「ホルトホール大分」の誕生とその背景(大分)
おおいた演劇の会 副会長の工藤和之です。
このコラムでは、初めましての方も多いのかなと。
あらためまして、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年、大分では二つの歴史ある小屋が閉鎖となりました。
大分文化会館と大分県立芸術会館(ホール)です。
キャパがそれぞれ2000席、1000席。
確かにでかいホールではあったのですが、大分の演劇人にとっての芸術会館はまさに聖地的な意味合いと夢や涙、汗に希望といったものを感じてきた空間だったわけです。
これらの会場の存続、あるいは新ホール建設に向けての、我々の声を届けさせてもらえるようにと署名活動等でご協力くださった皆さま、その節は大変お世話になりました。
結果老朽化に伴う安全確保維持が難しいとのことで、存続あるいは代替利用の希望も叶わないことにはなりましたが、大分市が新たに建設した複合施設「ホルトホール大分」が昨年8月に、可動席でキャパ200席の小ホールと1200席の大ホールを併設してオープンしました。
館の方針と演者の需要があいまって、今後このホールが大分での拠点となりうることが出来るかどうかは、またこれからの世代次第かなってところです。
おおいた演劇の会でも こちらのホールから開館記念行事に演劇として参加して欲しいと依頼を受け、昨年8月に「もったいないばぁばと豊の花」(脚本:日下渚)と会が例年夏の定例公演としているリーディング作品「蝉なきやまず」をこの開館イベントとして実施することが出来ました。
ここの小ホールの特性を活かして、大胆にも一幕と二幕では舞台装置をまったく作り替えるという(客席もなくなるという!?)離れ業的構成で挑みました。
その間奇跡の15分、僕が役の体で会場外ではお客様相手に富くじ抽選会を行い場をつなぐといったことも実施したわけです。無事好評の中で終了することができました。
うれしいのは、この作品を実施するにあたりオーディションを開催、あらたな人材発掘を目指したわけですが、そこに集いし演劇お初な面々が、その楽しさに触れ、味わう厳しさに新感覚を目覚めさせたのか、ユニット劇団を立ち上げ 先日遂に公演までに至るということにも繋がり、また会で今取り組んでいる3月の「大友宗麟」にもその時のメンバーが参加しているといった「継続」」なパワーを再び感じているところであります。
小屋の問題、メンバーの問題、資金の問題、劇団を継続していくうえでこればっかりは変わらず様々な問題があります。劇団じゃなくても「芝居をする」といった行動でさえもです。厳しいです。
既存の劇団もタッグを組むなど(脚本提供、演出依頼、合同出演等)工夫をしつつ、それぞれの活動を続けたりもしています。
そんな中で我々おおいた演劇の会では、今後は少しでもこういう人材発見の手助けになる活動が出来たらいいのかなと。
そもそも演劇の会結成当初というのはその存続意義は、いわゆる互助会です。
個々の団体が一同に介して何かうつとか、相互に協力して運営・公演を行うというものでした。
が、実際にはこれが個々の活動の制限になるとか、メリット感が薄いといった意見の中、会からは離脱・・・あ、これは昨年日下もコメントしてますが、今は実質、少数での形成となっています。
とはいえ、先述の開館記念公演に声がかかるなど、演劇界外からみたら「おおいた演劇の会」という名称、存続の意義は残っており、人材発見のきっかけにもなってる事実はやはり、いいんじゃないのと。
結局 今もこうしてあーだこーだで運営というか心持ちしている次第であります。
本当にとりとめのない文章となりましたが、今後ともおおいた、ヨロシクお願いいたします。
九州演劇協議会
おおいた演劇の会副会長
工藤和之( 劇団工藤屋。店長)