2015.07.31
宮崎県演劇協会の黒木朋子です。
宮崎の演劇を言葉で表すならば、巻き込み、巻き込まれながら盛り上がっている。
という感じでしょうか。
宮崎の演劇を語るには外せない「こふく劇場」と、これも演劇を語るには外せない三股町立文化会館の、文化事業「まちドラ」は4年目で、チケット入手が困難なほど、盛り上がっています。九州各地から演出家や役者が作品を上演し、町民も作品に参加、町の至る所で演劇が行われるという、町中を巻き込んだ人気のイベントです。
また、企画を中心としたユニット「あんてな」は、東京を中心に活躍する本田誠人氏の作品を中心に、毎回プロデュース公演の形をとり、劇団の枠を越えて役者が参加しています。
こういったプロデュース公演も年々増え、宮崎はここ数年、毎月のように公演が催されるほど、活動が盛んになっています。
世代を越えた交流もあり、客演が多く見られます。
これは、都市部の演劇界ではあり得ないことだそうですが、劇団で公演を行う際、役者・スタッフの人数不足、キャストの年齢層の問題等から、他の劇団等に助っ人を頼まざる負えない事も原因なのかも知れません。
そんな切実な事情とはいえ、横のつながりが強く、いつのまにか巻き込まれながら、新しい作品に取り組める楽しさが宮崎にはあると感じます。
ただ、観客についても劇団員同士で観に行く現状は、どの地域も同じかも知れません。新しい観客も巻き込みたいところです。
昨年度は、そんな宮崎の演劇人をより強く結びつける年となりました。
宮崎市制90周年の関連事業として、宮崎市の会館主催で、8月9日~10日に『波の上の青い島』を上演しました。これは、宮崎県演劇協会の設立25周年記念公演でもあり「協会加盟劇団の役者による出演で、宮崎市を舞台に・・・」という事で、宮崎(日南)出身の中島淳彦さんに脚本・演出を依頼したもの。
なんと開催当日、台風の接近により県内の公共施設が行事を取り止めるなか、公演初日は、多少無理やりぎみに公演し、台風で来場できないお客様のためには、2日めのの夜公演を急遽追加して、計3回の公演を行いました。この3回目の公演は、半券を持ってくれば無料で入れるというおまけつき。制作期間も、台風のような状況でしたが、そこは各劇団のアイデアで何とか乗り切り、 結果的にお客様にも大変喜んでもらえる作品となりました。
こういった経験が強みとなり、今後は、観客をも巻き込みながら、更にの演劇は止まることなく盛り上がっていくのだろうと思うのです。
宮崎県演劇協会・黒木朋子
2015.07.13
7月12日に福岡アジア美術館 会議室にて、九州戯曲賞最終審査をおこない、
以下の通りの審査結果となりました。
■最終候補作品(5作品)
守田 慎之介(福岡県行橋市)『草、のびて、家。』
村山 優一郎(熊本県八代市)『あまえんぼう山頭火』
日下 渚(大分県大分市)『あなた、咲いた』
山下 晶(福岡県福岡市)『晴レタラ、見エル。』
河野 ミチユキ(熊本県熊本市)『チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら』
■最終審査員
岩松了 中島かずき 横内謙介 岩崎正裕 前田司郎
■審査結果
大賞 河野 ミチユキ(熊本県熊本市)『チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら』
最終審査員選評、最終審査審議過程については後日、当サイトにて公開予定です。