2017.03.16
コラム|まちづくり(鹿児島)
鹿児島市で演劇活動をしています劇団上町クローズラインの宇都です。
鹿児島を題材にした幕末時代劇や、つかこうへい氏の芝居をしています。最近は、他団体公演の運営サポートをしたり、行政の事業などの様々な催事に出てくる演劇シーンへの手助けを微力ながら行っています。
(平成28年度芸術家派遣プロジェクト 中学校演劇公演の1場面)
先日、これからのまちづくりの在り方として様々な提言をしている著名なエコノミストの講演会を聞く機会がありました。
この方の話では、まちなかの要素として①住む人と来る人の共生。②変転ある雑居を生む「器」力。③文化、気風、その土地のブランド。の3つをあげられました。人口動態は、ここ5年間で鹿児島市だけでなく首都圏でも減少傾向にある中、シニア世代(65歳以上)は増加しているとの事。日本中が人手不足に突入していく事を、とうの昔に行政には警鐘を鳴らしていたそうです。
そして本題では、これから街が、いかに生き残っていくのかとして、「そこに住んでる地元高齢者の見識が高い事」「社会が子供をどれくらい大事にできるか」「高齢化に対応できる女性の活力が必要」などを唱えられました。
この話を聞き、九州であろうが首都圏であろうが、どのような文化であれ、活力ある街として生き残るには、若い世代とシニアとの協創が必須項目ではないかととても感じました。
(明治維新150年カウントダウン事業 薩摩維新ふるさと博 武家屋敷内寸劇の1場面)
鹿児島はまだまだ若手劇団が多く、なかなかシニアの活躍できる場がありません。老舗の劇団がないのです。シニアの深みをいかに今現在活動している若い世代に溶け込ませる事ができるか。また芝居をしたいけど台詞も段取りも覚えが悪く内気になるシニアに対し、きちんと最後まで面倒をみてあげる事ができるのか。
ますます高齢化していく社会の中で、シニアと現役が闘いあい協創していく演劇作品が地域活性化として必要とされるなら、こんな素敵なことはないですね。妄想で終わらないようにぜひ取り組んでみたいと思います。
宇都大作(鹿児島演劇協議会 代表理事)