2022.12.15
コラム|戻りつつある熊本演劇界と高校演劇の活気(熊本)
はじめまして、梅山隆博と申します。熊本にてCONTE&ACT 噐というユニットでコントを作っております。本日、ご縁ございましてコラムを書かせていただきます。どうぞよしなに。
さて、私は高校演劇出身でございますが、ここ3年間の情勢下において演劇部も、他の部活動と同じく相当な苦労をしたという話を母校の師より伺いました。演劇部は声が出ますし、基本屋内ですし、人が大勢集まることも当たり前ですから、部活動が解禁されたあとも活動には相当の制限があったとのこと。何より、総合文化祭の中止や、高校演劇大会の無観客開催など、校外の方へ発信できる機会の減少、そして熊本県内外の演劇団体の公演が次々と「中止」「延期」となったことによる観劇できる機会の減少、この「演る」「観る」それぞれの機会の減少は、演劇部としての演劇の学習以上に他校や他の演劇団体さんとの交流ができなかったのは大きかったのではないでしょうか。
私自身、当時足を運ばせていただきました様々な団体さんの公演でのご縁で、今でもお声掛けいただけますのは、大変ありがたいことでございます。また、観劇して「この演技素敵だな」「この効果どうやっているんだろう」「演劇って楽しい」という思いが沸き上がったものです。
そんな経験が難しい中、熊本県各高校演劇部の顧問方のお力添えもあり、県内外から演劇の講師をお呼びしての講習会やワークショップなどの学びや交流の場が設けられたり、最近では各演劇部の自主公演も行われたりと、演劇部の活気が情勢下前、もしくはそれ以上に戻りつつあるように感じます。
この情勢下に入り、たくさんの「延期」「中止」が溢れはじめた頃、アーカイブ配信や映像作品の公開、オンラインイベントなど、家でも楽しめる演劇が多くの演劇団体さんの手によって誕生致しました。演劇の火を絶やさぬよう努める方々の熱意に感銘を受けたものです。ここ1年は、「延期」「中止」も少なくなり、舞台での公演も増えて参りました。つい先日には熊本県立劇場にて、国民的マンガである“ONE PIECE(ワンピース)”×熊本の伝統芸能:人形浄瑠璃“清和文楽”のコラボ舞台『ONE PIECE 超馴鹿 船出冬桜(ちょっぱあふなでのふゆざくら)』が上演され、話題となりました。
私自身も主宰ユニットの公演中止や映像作品の配信をいたしましたが、観客入れての舞台に立たせていただいたり、また客席から芝居を観劇させていただくと、「やはり、この臨場感は会場でしか味わうことができないな」と思うと同時に、あの頃と同じく「演劇って楽しい」とより強い思いを抱くのです。
梅山隆博(CONTE&ACT 噐 主宰/熊本)
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