2018.03.06
コラム|66年目を迎える長崎市民演劇祭にあたり(長崎)
初めて掲載させて頂きます。
私は、長崎市演劇協会会長で、劇団アクターズ主宰の川下 祐司と申します。
平成30年3月17日(土)から25日(日)まで、
長崎市チトセピアホールで、第66回長崎市民演劇祭が開催されます。
1952年、第1回目が開催されてから66年。
1度も中止することなく続けて来ました。
長崎に原子爆弾が投下されて7年しか経ってない混乱の時代に、この演劇祭を始めた先人たちに只々脱帽です。
第1回目から、今までの全記録も残されており、66年間、只単純に娯楽としての演劇を一貫していたのも、長く続けられている要因だと思います。
しかしながら、近年、演劇祭運営に関し段々低迷しており、観に来る客もさることながら、参加できる劇団も減少しています。
現在、長崎市内に在籍している劇団は、私が把握しているだけで、9団体。
大学のサークルや少人数でユニットを組んでいる劇団を入れれば、もう少しあるかもしれません。
只、活動している劇団、休止している劇団さまざまで、全体像は掴めていません。
長崎市演劇協会自体も、昔ほど勢力は無く、以前は長崎で活動している劇団は全て加入していたみたいですが、今は殆どの劇団が加入していません。
長崎市演劇協会で実働しているのは3人しかいなく、その3人もかなり年齢は上です。
課題は、どこの地域も同じだとは思いますが、若い演劇人がいなくて、どの劇団も若手育成にかなり苦労していることです。
いろいろ努力もしています。
以前は、会場の関係もあって、1日に5団体や6団体が上演していたのですが、近年は1日1団体に変更して、劇団にとってもお客さんにとっても、時間の余裕をとれるようなシステムにしたり、格安通しチケットを販売したりと、試行錯誤しております。
また、長崎市民演劇祭なので、長崎市の劇団が主になって行っているのですが、最近は、1団体だけですが、市外枠を設けて、長崎市以外の劇団にも参加して頂き、演劇祭を盛り上げてもらっています。
このように、いろいろやってはいるのですが、集客数は昔に比べるとかなり落ち込んでいます。
劇団によって集客数や客層は異なりますが、1公演あたり、150人をめどに想定しています。しかし、なかなか難しいのが現状です。
出演者のチケット販売に対する考え方も随分変わって来ています。
昔は、1,500円のチケットを売る為に、3,000円の飲み代を使っていたものですが、今はチケット1枚も売らない人もいる状態です。
今の時代、「チケット売れ!」と強制できないのが、もどかしいです。
今回の演劇祭は、市内劇団6団体7演目の公演で、市外枠は大分県から「金平糖企画」さんに参加して頂くことになりました。
もしこのコラムを見て、「参加してもいいよ」と思われる劇団がいましたら、長崎市演劇協会まで、ご連絡下さい。
因みに、来年の開催日程は決まっております。
詳しくは長崎市演劇協会のホームページをご覧下さい。
生活の殆どがデジタル化されている現代社会において、アナログの演劇がどこまで生き残れるか分かりませんが、100回目を目指して頑張ります。
私は生きていないと思いますが、少しずつでも演劇人口が増え続けていければと思っています。
現在57歳。願わくば、100回目を観てから、息を引き取りたいです。
長崎市演劇協会会長
長崎市民演劇祭実行委員長
川下 祐司
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