2019.08.30

コラム|変わるもの、変わらないもの、ワクワクの日々。(熊本)

どうも。熊本にある劇団「Acting Unitシチミトウガラシ」代表で、くまもと演劇バトル”DENGEKI”実行委員の古田翔太郎です。
はじめまして、の方も多いかもしれません。私自身は高校~大学時代に活発な活動をしていましたが、就職して7年。就職してからはなかなか、というところです。


さて、地震から3年経った熊本。私なりに熊本の演劇を見ていて、地震を契機に変わってきたもの、変わらず続いているものがあるのではないかな、と感じている。

変わってきたもの。
新たな劇団やグループ・ユニットが誕生したり、今まで休止されていた団体が久々に公演をされたり、さらに賑やかになってきているように感じた。私自身あまり公演を観に行けていないため、詳しい様子をうかがい知ることはできていないが、公演の告知を聴く度に心がワクワクしている。
また、地震の後に被災地を中心とした演劇の団体設立やプロジェクトも行われている。仮設住宅等を訪問されたり、子どもたちが劇場で公演を行ったりする様子を見て、少しずつではあるが、演劇のもつ強みも感じることができた。
私が演劇に関わるようになってから、少しずつ劇団の公演が劇場での開催からアトリエやギャラリーなどで行われるようになっていたが、地震の後からその傾向は一層強くなってきたように感じる。最近では、Barやスナックで公演をされる団体もある。自前の劇場で同じ演目をロングラン公演するなど精力的に活動している団体もあるようだ。
さらに、熊本の演劇界を束ねる熊本演劇人協議会も昨年度、役員が変わり、会員の団体・個人も23組になった。特に、熊本演劇人協議会の会長は、私と同世代であるDO GANGの徳冨敬隆さんになられた。同世代が会を束ねる会長になられたことで、私も勝手にワクワクし、「がんばらなくては!」と感じている。

そして、変わらないもの。
先述の熊本演劇人協議会も役員こそ変わったが、今まで通り盛んに活動も行っている。6月29日(土)には「100人稽古!2019」と題し、協議会メンバーが講師となってストレッチや基礎練習、インプロや殺陣など様々な講座が開かれた。そして、終了後には、参加者が中心となり、毎年行っている懇親会も行った。劇団・個人や演劇に興味のある人が参加し、舞台の深い裏話や他愛もない話など、たいへん盛り上がった。


※「100人稽古!」の様子

熊本演劇人協議会は、こうやっていつでもワクワクすることをやっている。このあったかい雰囲気、ワクワク感が、長くたくさんでできる秘訣なのかもしれない。
それから、私も毎年関わっている「くまもと演劇バトル”DENGEKI”」。2012年に1回目をスタートさせ、翌年から全国各地の劇団に参加していただいている。過去には茨城県から参戦していただいた団体もあった。今年で8回目。今年は熊本、福岡、宮崎、鹿児島から10の団体が参戦している。
熊本地震を経てもなお、会場である早川倉庫や熱を持って参戦される団体のおかげで、毎年続けることができている。
今年の開催は9月22日(日)、23日(月・祝)。今年も盛り上がりそうでワクワクしている。


※「くまもと演劇バトル”DENGEKI”」昨年度の様子

演劇に関わりだしてから、様々な人のあたたかみに触れ、迷惑をかけ続けながら、たくさんの「ワクワク」に出会わせてもらった。時に申し訳ないこともしてしまったが、何とかやらせていただいているこの状況に感謝している。
地震を契機に変わってきたもの、変わらないものはあるが、私はどの話題をもってしても「ワクワク」を感じる。これが、私が演劇に関わり続けたいと思う由縁だろう。
この「ワクワク」をもって、これからも演劇に関わり続けたい。

そして最後に、公演やりたいなー。というか、やろう!


Acting Unitシチミトウガラシ 代表
くまもと演劇バトル”DENGEKI” 実行委員
古田 翔太郎

2019.07.21

九州戯曲賞審査選評について(令和元年)

下記の通り、九州戯曲賞審査員選評を公開します。

九州戯曲賞審査員選評 PDF

2019.06.28

九州戯曲賞審査過程について(令和元年)

下記の通り、九州戯曲賞審査過程を公開します。

九州戯曲賞審査過程 PDF

2019.06.26

第9回九州戯曲賞最終審査結果について(R1.6.26)

6月22日に福岡市内にて、第9回九州戯曲賞最終審査をおこない、
以下の通りの審査結果となりました。

■最終審査候補作品(5作品)
宮田 晃志(鹿児島県鹿児島市) 『ヒトツ目の街』
日下 渚(大分県大分市) 『サヨナラ、我が家。』
山口 大器(福岡県北九州市) 『量子の歌声』
中島 栄子(福岡県福岡市) 『BERLIN』
松岡 伸哉(福岡県福岡市) 『海が降った夏』

■最終審査員
佐藤信 横内謙介 松井周 中津留章仁 桑原裕子

■審査結果
大賞 山口 大器(福岡県北九州市) 『量子の歌声』

最終審査員選評、最終審査審議過程については後日、当サイトにて公開予定です。

■大賞受賞作 『量子の歌声』 の戯曲データを期間限定で公開しております。
ダウンロード可能期間は3日間です(6月29日(土)00:05まで)。
http://dtbn.jp/erwGClc

2019.06.10

第9回九州戯曲賞最終候補作品決定のお知らせ

第9回九州戯曲賞に関しまして、審査の結果、最終候補作品が下記の通りとなりましたのでお知らせいたします。

九州戯曲賞
■最終審査候補作品(5作品)
宮田 晃志(鹿児島県鹿児島市) 『ヒトツ目の街』
日下 渚(大分県大分市) 『サヨナラ、我が家。』
山口 大器(福岡県北九州市) 『量子の歌声』
中島 栄子(福岡県福岡市) 『BERLIN』
松岡 伸哉(福岡県福岡市) 『海が降った夏』

■最終審査員
佐藤信 横内謙介 松井周 中津留章仁 桑原裕子

■最終審査会日程
6月下旬予定(福岡市内にて)

2019.05.18

コラム|インプットの時期を経て、大分から生まれる演劇に注目!(大分)

初めましてm(_ _)m 吉元 栄治です。

おおいた演劇の会(会長:清末典子)で事務局をしておりまして、演劇通称名は「ペン君」、「ペンさん」、「ペン」と呼ばれている39歳、男性です。しがないサラリーマンです。大分に「ペン」という人間がいると覚えて頂けるととてもうれしいです!大分に遊びに来ることがあれば、夜ごはんのお店は全力でご案内します!

平成25年10月から大分県大分市の劇団水中花(代表:日下渚)に入団したばかりなので、演劇経験はまだ5年と半年程度です。劇団で役者のほかに制作業務を担当して、おおいた演劇の会で事務局をしている関係で今回コラム執筆のお話をいただきました。「演劇経験の浅い私が何を書けばよいのか」迷いましたが、演劇経験の浅い私が感じている大分の演劇シーンをそのまま書いてみようと決めましたので、しばしお付き合いくださいませ。

 大分の演劇シーンと言っても、それを一言で表現することができるわけもなく、「この数年で公演をたくさん打った!」演劇人もいれば、「最近は役者はお休み・・・」という人もいるし、観劇中心の生活の人もいれば、ワークショップに積極的に参加したという人もたくさんいる。ですので、恐縮ながら私ペンの演劇生活を振り返ることで、近年の大分の演劇シーンを振り返って見ることにします。

 劇団水中花の公演やおおいた演劇の会が主催する朗読劇やワークショップに平成26年以降出演しつつ、制作業務を行っていく中で、私が大分の演劇界全体に目を配ることを強く意識したのは、平成28年6月に大分で初めて開催された、一般社団法人日本演出者協会(理事長:流山児祥)主催の「演出家・俳優養成セミナー2016 演劇大学inおおいた~THIS IS 演出~」です。全国で活躍されている著名な演出家の方々を大分にお呼びして、4日間で大分内外から集まった演劇人が創作体験やワークショップを通じて、多くの刺激を得ることができました。私自身は実行委員会の取りまとめとして動きましたが、感慨深かったのは1回目の実行委員会の時です。大分県民演劇制作協議会、劇団水中花、演劇集団P-nuts、Officeせんせいしよん、おおいた演劇同好会の代表や演出の方々のほかにも、経験豊富な憧れの演劇人が一堂に介した時でした。私が演劇を始めた平成25年以降では(当然ほかにもご活躍の方々はたくさんいらっしゃいますが)大分の主要演劇人がこれだけ集まったのは初めてだと思います。大分で長らく演劇活動を続けてきた先輩たちが「今の大分に何が必要か」ということを真剣に議論しているその輪の中に自分がいるという不思議を感じながら実行委員会を運営していました。

 その後、平成29年11月にも「演劇大学inおおいた~演出ビフォー・アフター、演出効果を体感できる3日間~」を開催し、さらにバラエティーに富んだ講師陣から大分の演劇界に叱咤激励を頂きました。平成30年10月から11月にかけては20年振りの大分開催となる「第33回国民文化祭・おおいた2018」にておおいた演劇の会主催で演劇公演「花人~桜舞う、あなたの居る場所~」を上演しました。地元の劇団だけではなかなか実現できない規模の舞台セット、制作費用を実現できたのは全国規模の国民文化祭というイベントの力を借りることができたからです。

 そして、記憶にも新しい今年1月に開催された、一般社団法人日本劇作家協会(会長:渡辺えり)主催の「日本劇作家大会2019大分大会」です。私ペンは運営委員として当日スタッフで土日の2日間のみ一生懸命お手伝いしましたが、あまりにも有名で第一線でご活躍されている劇作家の方や役者の方々が大分に大集合し、ラグビーワールドカップではないけれど「一生に一度」の機会が大分の演劇人にもたらされたと思います。大分の演劇人それぞれが、それぞれの経験・立場に照らしていろいろなモノを吸収しました。私ペンとしては、大分の役者や劇場は少ないなということを県外の方と接してお話をすることで改めて実感した一方で、「大分で演劇をしていることで恵まれている点もあるんだ」ということを認識できたことは大きな発見でした。

 私から見た平成29年からの3年間は大分の演劇界にとっては、全国的に活躍する演出家や劇作家、役者から多くの刺激と知識と体験をインプットしていただいた3年間でした。この3年間で大分の演劇界に根付き、広がったものがある一方で、あまり変化しなかった部分もあります。個人的には大学生や20代の若い世代が劇団を立ち上げる動きがもっと活発になってほしいと思っています。

 インプット期間であった3年間は、大分の劇団や演劇人が自らの自主活動を制限された面もあったと思います。私が所属するおおいた演劇の会では、今年10年目を迎える朗読劇「蝉なきやまず~大分の空襲より~」を8月に4箇所にて上演するほか、劇団水中花では空き家問題をモチーフとした演劇公演「サヨナラ、我が家。」をプロデュースします。多くのことを学んだ大分の劇団らが突入したばかりの令和の時代に何を発信し、何を表現するのか、是非とも注目していただきたい。

以上、ペンでしたm(_ _)m

2019.03.14

九州戯曲賞 応募に際してのQ&A(2019)

九州戯曲賞の応募に際しての、よくある質問に対する回答をまとめました。

Q: 他の戯曲賞に応募した作品ですが、応募できますか?
A: 応募可能です。他の戯曲賞での受賞歴がある作品でも応募の制限はしておりません。

Q: 平成29年4月から平成31年3月までに書き上げた戯曲ですが、今年上演しました。それでも応募可能ですか。
A: 応募可能です。上演の有無は応募対象に影響ありません。

Q: 数年前に書き上げた戯曲を平成29年4月から平成31年3月までに改作しました。応募可能ですか。
A: 応募できません。新作が応募対象の作品です。対象期間中にかきあげた作品を対象期間中昨年中に改作した場合は応募可能です。

Q: 提出にあたり誤字脱字や変換ミス等をみつけました。修正は可能ですか。
A: 修正可能です。誤字脱字・変換ミスの修正、作品そのものではなく文としての誤りの修正は可能です。国内の戯曲賞の選評においても誤字脱字の多さが指摘されるケースがあります、読む立場でのご確認をお願いできますと幸いです。

Q: ページ数は入れたほうがいいですか。
A: なくても応募可能ですが、落丁等を防ぐ意味でもページ数をいれていただけますと幸いです。

Q: 応募戯曲はどうやって綴じたらいいですか。
A: 綴じ方は自由です。戯曲一部に対してダブルクリップでの一点留めを推奨しております。製本等は不要です。

Q: 応募票は3部必要ですか。
A: 応募票は1部、表紙と応募戯曲は3部必要です。

Q: 応募票の「作品のあらすじまたはねらい」にはどのようなことを書けばいいのでしょうか。
A: 審査員の読み方によって変わってきますので一概には言えない部分です。あらすじが書きにくい場合、ストーリーやドラマ性に重きをおいていない作品の場合は、どのような演劇的成果を狙っているのかわかるように書くのがいいように思われます。

Q: 自分の戯曲の講評を見るのは苦手なのですが、応募できますか。
A: 応募できます。一次審査員の講評が不要な場合は、応募票の「講評不要」の欄にチェックをいれてください。

Q: 直接、戯曲を提出してもいいのでしょうか。
A: 直接の提出は受理できません。レターパックプラス、簡易書留、配達証明郵便、または宅配便など受取の記録が残る方法での応募に限定しています。

Q: 締切日にしか投函できそうにありません。間に合いますでしょうか。
A: 消印が締切日であれば大丈夫です。

Q: 劇作家が対象となっていますが、一般からは応募できないのでしょうか。
A: 自らを劇作家と認めた方であれば応募可能です。年齢・プロ・アマは問いません。

2019.03.13

コラム|『ジョン・デンバーへの手紙』
屋久島高校演劇部全国大会までの道のり(鹿児島)

鹿児島県の屋久島高校で演劇部の顧問をしている。高校演劇劇作研究会に所属し,戯曲の作り方を学び,いくつかの作品を書いた。昨年の九州大会で,拙作『ジョン・デンバーへの手紙』が,最優秀賞と創作脚本賞を受賞し,7月27日から29日まで佐賀県鳥栖市で行われる全国大会に出場することとなった。今回,九州地域演劇協議会様からコラムのご依頼を受け,一顧問に過ぎない私などが、寄稿してもよいのかと恐縮している。


 
屋久島に赴任して,4年目を迎える。屋久島に魅せられ,移住を決める人々は多い。豊穣な水と緑に抱かれ,人々の有りようは鷹揚である。生徒もまた,それぞれが自己の世界を持ち,他人におもねらない。演劇部員も然りである。
赴任した当時、演劇部は1名。廃部の危機に瀕していた。部員集めに奔走し,声出しから始めた。稽古場となっている,高校を見下ろす丘の上の旧学生寮からは,毎日部員たちのアメンボ赤いなが響いた。演技など初めての生徒たちである。当然,他校の演技なども観たことがない生徒たちである。夏の講習会などにも積極的に参加し,技術を磨いた。彼らの姿が好もしかった。だって舞台に上げても,何だか度胸があるのである。落ち着き払っていて,魅力があるのである。小さな世界に育つ故の視野の狭さから来る,世間知らずの強さだろうか。不思議だったが,今は違うと感じている。大自然の中で,小手先ではない粉飾いらずの風格を,彼らは授けられているのに違いない。あたかも見本となる大人がいつも傍らにいるように,生徒たちの目の前に自然が対峙し,感性を,生き方を,振る舞いを,物腰を,力のいれ具合を,果ては朽ち果て方に至るまで,教示しているのであろうと感じる。

作品『ジョン・デンバーへの手紙』は,実話を基にしている。本年度,屋久島の過去の歴史を,また少し掘り下げたいと思っていた折,偶然にも,島全体が林業に沸き返る昭和53年に,『屋久島からの報告』という映画を作り,国の原生林伐採に反対された,当時屋久島高校の教諭であられた大山勇作さんのことを知った。
直接大山さんにお会いし,映画の中で使用する楽曲についての興味深いエピソードを伺った。「カントリー・ロード」の作曲家としても名高いアメリカのカントリー歌手ジョン・デンバー氏に直接手紙を書いて,無料での楽曲使用の許可を取りつけたというのである。そのころ無名であった鹿児島県の小さな島と,外国の大物歌手との取り合わせが何ともミスマッチであった。大山さんのお人柄に触れ,お話を伺いながら,不器用ではあるが故郷をこよなく愛す,一人の青年教師の姿が浮かんできた。島に留まり,懸命に故郷の自然を国の伐採事業から守ろうとする人々の物語が出来上がった。
タイトルは『ジョン・デンバーへの手紙』。・・・これしかなかった。

昨年12月,福岡県で,九州高等学校演劇研究大会は開催された。
本校の上演は1日目の最後であった。物語の後半,足の悪い老婆が,映画の前売り券の購入をなけなしの財布をはたいて承諾するシーンがある。あんな足では上映会も行けはしない,他人の力を借りないと丸腰のこぶしを振り上げることもできないと,主人公が忍び泣くシーンである。このエピソードは実話に基づいていたが,なかなか思いどおりに行かなかった。直前まで練習を重ねた。
私は,出そうになる涙をこらえ、嗚咽がもれないように奥歯をぐっと噛むしかなくなるような作品が好きだ。惨めなもの,滑稽なもの,醜悪なものの中に,ふと垣間見える美しさや希望。ゴミ袋に雪が降り積もっているような世界。大団円より,含みのある幕切れに惹かれる。
講師の先生のお一人に,日本を代表する劇作家で演出家の,平田オリザ先生がおられた。オリザ先生から,題材と伝え方のバランスがよい,社会的な問題で説教くさくなりがちだが,人間的要素がたくさん入っていた。生徒たちの演技がとても素直で好感が持てたとの講評をいただいた。雲の上のような存在から,自校の作品の講評をしていただけたことが,ただただ光栄であった。

結果発表で屋久島高校の名が呼ばれたとき,生徒たちは一瞬悲鳴を上げたが,すぐに姿勢を戻した。喜びを表すことを他校に遠慮したのだ。
私は涙がボタボタ流れた。私自身も気付かなかったが,名を呼ばれたとき,初めて分かった。私は,全国大会に行きたかったのだ。涙が止まらぬくらい,こんなにも,行きたかったのだ。全国までの道のりは遠すぎた。これまでやってきて良かった。諦めずにやってきて本当に良かった。島に帰ると,たくさんの方々が祝福してくれた。町長への表敬訪問まで待っていた。

今年の夏。全国大会の舞台に立てる。屋久島の生徒達が導いてくれた。夢が叶う。夢かと思う。

屋久島高校演劇部顧問
上田 美和

2019.02.15

九州戯曲賞、募集要項を公開いたします(平成31)

九州地域演劇協議会では、九州の地域演劇の活性化のため九州戯曲賞を平成21年に創設しました。
つきましては、本戯曲賞への作品を募集します。

応募作品には複数の審査員からの講評を送付します(送付しないことも可能です)。
九州の劇作家からの応募をお待ちしております。

 

九州戯曲賞 募集概要

・対象者
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県に在住、またはこの7県を主たる活動の場とする演劇戯曲の執筆者。

・対象作品
平成29年4月から平成31年3月までに書き下ろした作品。

・大賞賞金
30万円(佳作、奨励賞等の賞を設置することがあります。)

・応募締切
平成31年4月15日(月)(当日消印可)

・最終審査員
佐藤信  横内謙介 松井周  中津留章仁 桑原裕子

・応募本数
1人2作品まで
(2作品応募される方は、こちらをご確認ください:2作品目の応募について

主催:九州地域演劇協議会・NPO法人FPAP
協賛:株式会社ふくや
協力:公益財団法人大野城まどかぴあ 公益財団法人福岡市文化芸術振興財団 財団公益財団法人久留米文化振興会 公益財団法人佐賀県芸術文化協会 長崎市 アルカスSASEBO 一般財団法人大村市文化・スポーツ振興財団 公益財団法人熊本県立劇場 公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団 公益財団法人宮崎県立芸術劇場 公益財団法人都城市文化振興財団 公益財団法人鹿児島県文化振興財団 一般社団法人日本劇作家協会
公益社団法人企業メセナ協議会助成認定事業

募集要項|(PDF
応募票 |(PDF   Word

2019.01.05

コラム|複合文化交流施設での「演劇展開」(大分)

是永幹夫(「ホルトホール大分」館長)
大分市で生まれ育ち、秋田の「わらび座」で定年退社までの37年間、劇団経営と運営、
民間活力で劇場をコアにした芸術村を構想し、その展開に奔走しました。地域発信型ミュ
ージカル創造と展開を、「足元を掘れ、そこに泉が湧く」をモットーに仕掛け、北東北の
秋田・岩手・青森の三県とは、県総人口の数パーセントの県民の皆様が地元の歴史的物語
を舞台化したオリジナル・ミュージカルを全都市・全ホールで観劇するシステムを確立し
ました。まさに「地を這う営業」です。
人の一生に支えられる劇団・劇場でありたいとの「夢」を人びとと共有し、多様な出逢
いを創ってきました。その経験をふるさと大分市に請われて、年間200万人の皆様に愛
される多機能連携型複合文化交流施設「ホルトホール大分」の運営を担うことになり、開
館6年目になりました。

私は「演劇」が格別に好きなわけではなく、和太鼓や神楽や盆踊りが大好きで、民族歌
舞団時代のわらび座に飛び込みました。わらび座のミュージカル路線を牽引した一人とし
て、歌の力・演技の力を蓄えるための投資もカンパニーあげてしました。市川森一、栗山
民也、横内謙介、甲斐正人、斎藤雅文、朝倉摂、妹尾河童、土屋茂昭、ラッキー池田など
の皆さんと、他にはない日本の風土性を色濃く秘めた日本人のミュージカル創出にいのち
をかけてきました。

ふるさと大分市に帰り、国内外で大活躍している地元のカンパニーはDRUM TAOしかな
く、TAOの新しい芸術村と阿蘇五岳を背景にした「世界に冠たる」天空劇場建設を応援し
ています。TAOは別格として、大分市は「西洋演劇・西洋音楽伝播発祥の地」のDNAが
あり、県民演劇・県民オペラの伝統と実績を誇り、「大分市つかこうへい劇団」の輝かし
い5年間を持つ都市だけに、当館としては、「演劇による活性化」を柱の一つにして展開
しています。幸い、市民ホール・スタッフが推進エンジンとなり、一歩一歩実現してきて
います。

「豊後FUNAI芸術祭」(大分市立の3公共文化施設協働事業)や県内他都市の劇団
も含めた「FUNAI演劇祭」、「豊後FUNAIミュージカルへの挑戦」、「まち劇フォー
ラム」(衛紀生、土屋茂昭、中村透、ソウル市劇団、木村典子等各氏講師陣)、「戯曲ワ
ークショップ」(中津留章仁、篠原久美子、畑澤聖悟の各氏)、高校総合文化祭全国大会
で高校演劇グランプリを獲得した「大分県立大分豊府高校」の快挙を応援し、次世代の高
校演劇部を盛り立てていく「高校演劇グランプリ」プログラム、即興演劇「ロクディム」
定期公演、由布院復興支援の「劇団立見席」公演、大分市・国東市の「市民演劇交流事業
」等、さまざまに行っています。新しく「BUNGO新喜劇」プロジェクトを地元の皆様が
立ち上げ、2019年3月に新作発表公演をします。大分市のホルトホールは演劇展開に熱心
な公共ホールとの評判も広がってきています。

国民文化祭おおいた2018」は20年ぶりの二度目の国民文化祭で、20年前は県内一本だ
ったミュージカルが、今回は県内8都市でそれぞれの地域物語が競い合うようにオリジナ
ル・ミュージカルとして制作・上演されました。

前回の兵庫県豊岡大会から5年ぶりになる「日本劇作家大会」を1月24日から27日までの
4日間、160名の劇作家・演出家・俳優・映画監督・舞台美術家などの皆様が大挙大分市を
来訪され、64もの企画で「舞台芸術祭典」を開催します。この大会を通して大分が「演劇
の街」になることを期待しています。

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