2017.01.08

九州演劇人サミットin大分 レポートサイト公開

2016年11月23日に開催した、九州演劇人サミットin大分のレポートサイトを公開しました。

https://summit2016.jimdo.com/レポート/

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2016.12.27

コラム|久留米に新たな演劇の風を(福岡)

2016年4月に福岡県久留米市にオープンした久留米シティプラザで、ドラマアーツ・ディレクターをさせていただいております、小松杏里と申します。

私は東京出身で、元々、東京で演劇活動をしていましたが、10年ほど前に福岡に三年間住んでいた時に九州の演劇界とのつながりが生まれ、その縁もあり、久留米に呼ばれました。、
そして、久留米シティプラザのオープンに合わせ、その一年前から久留米に移住し、準備のために九州のあちこちに伺わせていただきました。

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久留米シティプラザ

九州の演劇といえば、北九州、福岡、熊本、大分、長崎、宮崎が盛んで、もちろん、佐賀や鹿児島で活動されている方々もいらっしゃいますが、久留米の演劇というのは、ほとんど聞いたことがないと思います。しかし、近年では、吉田羊さんが久留米出身ということで注目されていますし、田中麗奈さんや藤吉久美子さんもそうです。また、久留米出身で福岡で演劇活動をされている方も多く、久留米をはじめとした筑後地区の高校演劇のレベルの高さは、全国的にも有名です。
ところが、その久留米で、継続的に演劇活動を続けているところといえば、市民劇団がふたつほどしかありません。久留米は美術と音楽の街だったのです。

そんな久留米に、3つの劇場を持つ複合施設が出来るのですから、久留米にも演劇文化を根付かせていかないわけにはいきません。久留米シティプラザは、5年間は久留米市直営で運営されるので、その間に、市の文化事業として、久留米に新しい演劇の風を起こさなくてはならないのです。
そのためには、演劇の楽しさ、おもしろさを市民の人たちに伝えていかなくてはなりません。
そこで、演劇を「やる楽しみ」と「観る楽しみ」の、ふたつを育てていこうと考えました。
そうして企画し、6月から始めたのが「小松杏里のくるめ演劇塾」であり、秋に開催したのが「めくるめくエンゲキ祭」です。

 

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小松杏里のくるめ演劇塾募集チラシ

 

開館一年前からの調査で、久留米市各地のコミュニティセンターには、演劇の講座や同好会のようなものはありませんでしたが、指導してくれる人がいたらやってみたいという声が多くあることがわかりました。つまり、演劇に興味があったり、中学や高校・大学時代に演劇をやったことはあるけれど、その後、やれる場所がなくてやらなかった、という人が意外に多くいることがわかったのです。また、子どもに演劇をやらせたいという人も多くいました。

そして、6月にお試し期間から始めた「くるめ演劇塾」には、現在行われている本期間まで、120名もの老若男女の方たちが参加してくれました。下は小学校2年生から、上は76歳の方までです。

この、くるめ演劇塾の塾生たちの中からオーディションで選ばれたメンバーによる舞台発表会が2017年の1月に行われますし、来年度は発表の機会を増やして、より、演劇を「やる楽しみ」を多くの人たちに知ってもらいたいと考えています。

 

一方の「観る楽しみ」ですが、これはもちろん、久留米シティプラザに良質な演劇公演を呼んで観てもらうことも大切ですが、いわゆる演劇ファンではない、あまり、演劇に接したことのない一般市民の人たちに演劇のおもしろさを伝えていくためには、身近なところでも演劇のおもしろさを知ることができ、楽しむことができる、ということを知ってもらうことが重要だと考えました。

そこで、まずは、久留米の人たちに演劇のおもしろさを知ってもらいたいと企画したのが「めくるめくエンゲキ祭」です。ですから、この演劇祭は、演劇ファンのための演劇祭とは、ちょっと異なると思います。

 

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めくるめくエンゲキ祭チラシ

 

第一回目のめくるめくエンゲキ祭では、4つのテーマを設けました。
ひとつは、九州には、有名とはいえなくても、こんなにおもしろい演劇をやっている劇団があるんだよ、ということを伝えたい〈九州4県から、めくるめく劇団がくるめくる!〉。

とはいえ、久留米にも、頑張って活動している市民劇団があるんだよ、ということをアピールしたい〈久留米も負けられんたい!〉が、ふたつめ。

そして、演劇を作り上げる基となる戯曲を書くことに興味を持ってもらうために、〈九州には九州戯曲賞があるけん!〉ということを知ってもらい、、地元・筑後地区の高校演劇の素晴らしさを市民の人たちに知ってもらうと同時に、高校演劇を応援する〈高校生チアーズ!〉の、4つです。

 

このめくるめくエンゲキ祭は、地元の市民劇団や高校演劇の公演には多くの人が観に来てくれましたが、ほかの地域から来てくれた劇団の公演には、それほど多くの人は集まりませんでした。まだ、純粋に演劇のおもしろさを楽しむという意識には達していないからなのだと思いますが、それは仕方のないことです。おそらく、これまで、身近なところで、つまり、知り合い関係の演劇を観に行っても、それが、本当の意味での、演劇のおもしろさを感じさせてくれるものではなかったからなのではないかと思うからです。

そこで、前に書いた、くるめ演劇塾の発表の機会を増やし、幅広い表現のある演劇のおもしろさを伝えていくということが重要になってくるのです。こういう演劇もあるんだ、こういうのもあるんだ、という、演劇に対する既成の価値観を、身近なところから変えていくのです。

 

久留米という、演劇文化がまだ充分に育っていない街に演劇を根付かせるには、土地を耕し、種を蒔き、水や肥料をやるなど、まだまだ多くの時間がかかると思いますが、いつの日か、久留米ならではの演劇の花を咲かせたいと思っています。それが、九州の演劇文化の振興に寄与することにもなると思いますので、これからさらに九州の演劇関係の方々と協力し合い、盛り上げていくために頑張っていく所存です。また、何年後かに、その後の進捗状況を報告させていただけたらと思います。

今後も、よろしくお願い致します。

久留米シティプラザ ドラマアーツ・ディレクター 小松杏里

2016.11.25

九州演劇人サミットin大分 終了いたしました(11/23)

「九州演劇人サミットin大分 ~九州演劇シーンの今~」終了いたしました。

ご来場いただいた皆さま、関係の皆さま、ありがとうございました。

http://summit2016.jimdo.com/
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2016.11.20

九州演劇人サミットin大分 まもなく開催(11/23)

大分では6年ぶりの開催となる、九州演劇人サミットが、いよいよ3日後となりました。

九州内外より、多くの方にお申込みいただいています。ご来場予定の方は、お早めにお申込みお願いします。

またパネルトーク終了後、パネリストをまじえての立食形式による交流会を開催します。
お誘いあわせの上、ご来場ください。

『九州演劇人サミットin大分 ~九州演劇シーンの今~』

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◆ WEB
http://summit2016.jimdo.com/

パネルトーク

◆   パネリスト

池田美樹〈熊本〉 劇作家、演出家、劇団きらら代表

彌冨公成〈佐賀〉 佐賀東高校演劇部顧問

清末典子〈大分〉 演出家、俳優、大分県民演劇制作協議会 代表、一般社団法人 日本演出者協会 会員、おおいた演劇の会 会長

是永幹夫〈大分〉 ホルトホール大分統括責任者

椎木樹人〈福岡〉 万能グローブガラパゴスダイナモス代表、福岡若手演劇協会代表理

立山ひろみ〈宮崎〉 (公財)宮崎県立芸術劇場演劇ディレクター

中原久典〈大分〉 大分豊府高校演劇部顧問

原田耕太郎〈鹿児島〉 劇団鳴かず飛ばず副主宰、演出家

福田修志〈長崎〉 F’s Company代表、劇作家、演出家

◆ 司会

・高崎大志 〈福岡〉 地域演劇プロデューサー NPO法人FPAP事務局長

◆ 日時(パネルトーク)

11月23日(水・祝) 15:00-17:30(予定開催時間:2時間半)

◆ トークテーマ

・九州各地域の状況

・高校演劇の活躍

・公共劇場のこれから

・九州地域演劇のこれから

◆ 会場

ホルトホール大分 1階 小ホール(JR大分駅 徒歩3分)

◆ 料金

一般 1000円

学生 無料

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演劇ワークショップ(2コース、各2日間)

・池田美樹演劇ワークショップ ~発想の筋肉を鍛えよう!~(定員に達しましたので、受付を締切ました)

・福田修志演劇ワークショップ ~身体で奏でて~

◆料金
2,000円(パネルトーク参加費込)

◆日時
11月22日(火)19:00-21:00、23日(水・祝)10:00-15:00(2日間通し)

◆ 会場

ホルトホール大分 1階 小ホール(JR大分駅 徒歩3分)

◆パネルトーク、ワークショップの申込・詳細については、下記公式サイトより

公式サイト:http://summit2016.jimdo.com/

◆twitter
https://twitter.com/kyushu_rtc

◆facebook
https://www.facebook.com/events/1136743969705652/

◆お問合わせ等

九州地域演劇協議会

E-mail: info@krtc.info

TEL : 050-5885-8151

2016.10.03

コラム|きちょくれ、おおいた!(大分)

私は大分豊府高校演劇部で顧問をしております中原久典と申します。ここ数年は、大分県高文連演劇専門部委員長として、大分県の高校演劇の事務局もさせていただいております。

昨年は、滋賀県で開催された第61回全国高等学校演劇大会では、幸運にも最優秀賞をいただくことができました。これも、これまで応援していただいた方々のお力添えによるものだと感謝し、あらためて襟を正しく、気を引き締め、今年もまた、部員達と劇作の日々を過ごしています。

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(大分豊府高校演劇部『うさみくんのお姉ちゃん』舞台写真)

大分県の高校演劇は、加盟校数12校というジリ貧状態です。(これでも、ここ数年、増加傾向にあるんですよ。)私が高校生の頃は、加盟校が25校前後あり、県大会は3日間ですべての学校が上演するというハードスケジュールでした。審査員の先生方は、1日10数本見るという、苦行に近いものがあったかと思います。それが今では、1日に5~6本の上演で、2日間で終わってしまう!なんとも寂しい状況です。で、肝心の上演はというと・・・、近年の上演校のレベルがアップしてきており、それぞれの学校の特色を活かしたバラエティに富んだ大会になってきています。(自画自賛ですが。)大分豊府高校の全国最優秀は、そんな切磋琢磨しあえる環境によるものだと、実感しています。これは、大分だけに限りません。九州の高校演劇全体がこうした環境にあるのは間違いなく、近年の全国大会で上演する九州代表校の作品は、質の高いものばかりです。

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(大分豊府高校演劇部『うさみくんのお姉ちゃん』舞台写真)

そんな大分の高校演劇のレベルアップですが、各方面より多くのバックアップをいただいていることもその理由にあげられます。昨年の県大会は国東市の共催をいただき、『アストくにさき』で開催させていただきました。スタッフの方々のご協力、そして地域への情宣活動により、地元の方々にも多数、ご来場いただき、盛況な2日間を過ごしました。そして、今年の県大会は、大分市にあるホルトホール大分を舞台に、ホルトホール大分の主催事業として、『高校演劇グランプリ』という冠をいただき、華々しく開催されることになりました。ホルトホール大分は、ご存じのとおり、2016年11月に開催される『九州演劇人サミット』の会場でもあります。開館の2013年以来、『市民の家』として親しまれ、毎日、多くの方々が訪れています。主催事業として『市民ミュージカル』を立ち上げるなど、高校演劇に限らず、今の大分の演劇界の変化はホルトホール大分の存在に寄るところがとても大きいように思えます。そして、昨年度からは、地元の劇団が集まり、新作を上演するFUNAI演劇祭が開催されるようになりました。まさに、文化・伝統の創造・発信の場となっています。そのFUNAI演劇祭では、今年11月に行われる高校演劇の大分県大会の最優秀校が上演させていただけるようになっています。今、大分に芽吹き来つつある高校演劇の芽を、大切に、大切に、育てていきたいと思います。

11月5・6日、第69回大分県高文連中央演劇祭(第1回高校演劇グランプリ)、11月22・23日九州演劇人サミットin大分、どうぞ大分にお越し下さい!きちょくれ、おおいた!

(23日のパネルトークには私も出ます。と、なにげに宣伝。)

 

大分県立大分豊府高等学校演劇部顧問

中原 久典

2016.09.15

九州演劇人サミットin大分(2016.11.22-23)を開催します。

九州演劇人サミットを下記の通り、開催いたします。

九州演劇人サミットin大分 九州演劇シーンの今

九州演劇人サミットは、熊本県立劇場で行われた日本劇作家大会2005 熊本大会(日本劇作家協会主催)の中のプログラムとしてはじまったトークイベント。九州各地で活躍する演劇人が一堂に会し、それぞれの地域の演劇事情や課題・展望などを語り合い、九州演劇界の活性化と交流を促進することを目的としています。演劇が好きな方、演劇をやってきた方、そして演劇をやろうとしている方、みんな集ってこれからの演劇の話をしましょう!

日時:2016年11月22日(火)、23日(水・祝)
会場:ホルトホール大分 1階 小ホール

◆演劇ワークショップ(2コース、各2日間)
11月22日(火)19:00-21:00、23日(水・祝)10:00-15:00
・池田美樹演劇ワークショップ ~発想の筋肉を鍛えよう!~
・福田修志演劇ワークショップ ~身体で奏でて~
料金:参加費 2,000円(パネルトーク参加費込)

◆パネルトーク
11月23日(水・祝) 15:00-17:30
・九州各地域の状況
・高校演劇の活躍
・公共劇場のこれから
・九州地域演劇のこれから

出演者(50音順):池田美樹(熊本)、彌冨公成(佐賀)、清末典子(大分)、是永幹夫(大分)、椎木樹人(福岡)、立山ひろみ(宮崎)、中原久典(大分)、原田耕太郎(鹿児島)、福田修志(長崎)
料金:一般1000円、学生無料

主催:九州地域演劇協議会、NPO法人FPAP、ホルトホール大分、大分市
協力:おおいた演劇の会
助成:平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
後援:ゆふいんラヂオ局

最新情報は下記のサイトでご覧になれます。

「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」キックオフイベント
九州演劇人サミットin大分 九州演劇シーンの今
http://summit2016.jimdo.com/

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2016.08.23

久留米シティプラザ『めくるめくエンゲキ祭』(9/15~10/2)で、九州戯曲賞受賞作品のリーディング上演、戯曲講座などの九州戯曲賞関連企画が開催されます。

9/15-10/2に久留米シティプラザで行われる『めくるめくエンゲキ祭』で九州戯曲賞関連企画が開催されます。
第四回受賞作『家出』(作・谷岡紗智)、第七回受賞作『チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら』(作・河野ミチユキ)のリーディング上演のほか、第三回受賞作家島田佳代氏による高校生のための戯曲講座、同氏の新作『チャチャトゥールの穴』の上演、第七回戯曲賞最終候補作品『草、のびて、家。』(作・守田慎之介)の上演があります。

めくるめくエンゲキ祭 1st
■開催日時
2016年9月15日(木) ~ 2016年10月2日(日)
● 全公演全席自由
● 開場は開演の30分前

■主なプログラム
● 劇団ヒロシ軍(長崎県諫早市)『ヘドロイア』

● 演劇集団非常口(鹿児島県伊佐市)『チャチャトゥールの穴』
● Theちゃぶ台(熊本県大津市)『やまとなでしこ~久留米編』
● 演劇関係いすと校舎(福岡県行橋市)『草、のびて、家。』
● くるめ市民劇団 ほとめき倶楽部『ほとめき版「銀河鉄道の夜」』
● 久留米市立南筑高等学校演劇部『Life = Good&Bad Times』
● 浮羽工業高等学校演劇部+OB『拝啓18のあなたへ』
● 九州戯曲賞受賞作家による 高校生のための戯曲講座
● 九州戯曲賞受賞作品 リーディング公演
谷岡紗智作『家出』
河野ミチユキ作『チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら』■開催場所
久留米シティプラザ
● 久留米シティプラザ : 久留米座 / Cボックス(久留米市六ツ門町8-1)
● ほとめきサロン(久留米市六ツ門町11-11 アンピール六ツ門1F)
● みんくる(久留米市六ツ門町3-11 くるめりあ六ツ門 6F)

オープニングセレモニー
9月15日(木)18:00 久留米座(3F) 入場無料

めくるめくエンゲキ祭 1st 公式サイト

2016.08.20

九州戯曲賞 大賞受賞作品「喜劇ドラキュラ」(脚本・ 木下智之)が上演されます。

平成26年に九州戯曲賞 大賞を受賞した作品「喜劇ドラキュラ」(脚本・ 木下智之)が、
福岡県の大学演劇部が大学の垣根を越えて演劇作品をつくる企画、福岡県大学合同公演2016にて上演されます。

福岡県大学合同公演 2016
『喜劇ドラキュラ』
原作 木下智之
演出・脚色 合同公演演出チーム

【日時】
9月9日(金)18:00
9月10日(土)18:00
9月11日(日)13:00
9月11日(日)18:00
(開場は開演の30分前)
【会場】
ゆめアール大橋
(福岡県福岡市南区大橋1丁目3-25)

詳細
福岡県大学合同公演blog
http://fukuokagodo.blog.fc2.com/blog-entry-47.html
Twitter
https://twitter.com/godo_fukuoka
福岡合同公演チラシ表 福岡合同公演チラシ裏

2016.06.30

コラム|がんばるけん!熊本演劇(熊本)

熊本を拠点とする劇団ゼロソーの俳優、またSulcambas! 代表として舞台制作に携わっています松岡優子です。

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平成28年熊本地震発生から2ヶ月半。この地震は熊本に様々な変化をもたらすとともに、熊本の演劇の活力を再認識させられたこととなった。

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(写真 花習舎近く健軍商店街の中の倒壊したスーパー)

女優、演出家、劇作家の渡辺えりさんが来られたのは、6月26日のこと。アトリエ花習舎には急な呼びかけにも関わらず20名を超える演劇人。えりさんは3時間を超える長い時間、深い懐でひたすら私たちの生活環境や演劇活動ができているのかどうかといった話に耳を傾けてくださった。それぞれに連絡を取り合い近況を聞いていた人もいたものの、そこでの話からみんなの体験(苦労)は一様ではないと痛感させられた。

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(写真 本震後のアトリエ花習舎)

益城町に住む劇団「石」の女優さんは、罹災証明の判定に不服を感じつつも2次審査を申請することができなかったやるせなさに声を震わせていた。
劇団「石」は代表の堀田清さんをはじめ益城在住の方が多く、今まで使っていた稽古場は避難所となっているため利用不可能、堀田さんは罹災証明発行のための現地案内で東奔西走、劇団員の西山広成さんはこの4月からミナテラス(益城町交流情報センター)の所長となっており本震後4、5日は我が家に帰ることも眠ることもできない程に避難所運営に追われた。
劇団夢桟敷さんは地震被害により事務所兼代表 山南純平さんのご自宅の引っ越しを余儀なくされた。

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(写真:渡辺えりさんを囲んで)

えりさんを囲んだ会に本番のため出席できなかった劇団「第七インターチェンジ」の代表 亀井純太郎くんの自宅兼劇団稽古場は傾いてしまって、亀井くんは他の場所に身を寄せていると聞く。
またゼロソー代表の河野ミチユキは、勤める熊本市男女共同参画センターはあもにいも例に漏れず避難所となっているため避難者対応やはあもにいに届く物資を近隣避難所へ運んでいた。
劇団きららは地震の時、東京公演真っ最中。命が脅かされた瞬間に劇団きららが熊本にいなかったことは、全ての人の無事を確認することができない状況下において私にとっては「この人たちは無事だ」と絶対的な事実としての精神的な拠り所、救いだった気がする。しかし、遠く東京から熊本を思うことしか出来なかった皆さんの心情はいかばかりだったろうか。

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(写真 益城町文化会館周辺)

LINE、メール、電話、Twitter、Facebook、あらゆる方法でみんなの無事を確認しあっていた中、突然、熊本の演劇人が集まることになる。劇団「市民舞台」代表をされていた五島和幸さんの急逝によって。

通夜、葬儀には熊本の演劇関係者が多数参列し、他にもバレエ、能楽、オペラ、熊本のありとあらゆる芸術家、技術スタッフが五島さんの早すぎる死を惜しんだ。「これからだったのに…」と異口同音に皆が口を揃えていた。五島さんに熊本の演劇界はどれだけ支えられてきたことか…。

お通夜は前震の10日後、余震の続く緊張状態だっただけに久しぶりに仲間との再会に変な話だけれどもホッとする感情も生まれた。仲間達の無事な姿に緊張が緩んでいくのを感じながら、「五島さんが私たちを集めてくれたんだね」と声をかけあった。「だからって先立つには早すぎるでしょう!」と五島さんの不在が悔やまれてならなかった。地震がなければ…そう思わずにはいられなかった。

熊本に未曾有の被害をもたらした地震との闘いはなおも続いている。被害の大きかった益城町、南阿蘇を中心にまだ復興への道のりは遠く険しい。私自身、住む家をなくした。けれども、熊本の演劇人はとどまることを知らない。

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(写真:余震の影響で天井が落ちた健軍文化ホール)

劇団「石」を中心とした毎年恒例の夏目漱石を題材とした演劇の熊本・東京公演は、一時は中止と聞いていたけれど、熊本市民会館から熊本県立劇場へ会場を移しての公演決定。劇団夢桟敷を中心とした演劇ユニット九州「劇」派は熊本・東京公演、そして夢桟敷はその先にはブラジル公演も見据え、その歩みを止めることはない。益城町にお住まいの小松野希海さんはご自身も大変な状況であるにも関わらず、Studio in.K.でいち早くゴールデンウィークから公演を実施。くまもと若手演劇バトル「DENGEKI」も例年どおり10月に開催決定。

目の前の生活で手一杯になってもおかしくない状況下で、立ち向かう、切り開く姿に熊本の底力を感じずにはいられない。

多くの方の支えを受け、私は熊本の演劇人有志とともにアートによる街や人の再生・復興に寄与することを目的とした団体、SASHIYORI Art Revival Connection KUMAMOTO(SARCK/通称 さるくっく)を地震の一ヶ月後に設立した。またアトリエ花習舎では、急遽、月光亭落語会の投げ銭寄席、若林美保さん・大槻オサムさん・谷本仰さんの作品「two」を上演していただけることに。「とにかく熊本へ」その気持ちがとても嬉しく本番の日が待ち遠しい。

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(写真:広安西小学校で子どもたちと遊ぶSARCK)

Sulcambas!主催で昨年秋に開催した「カシューナッツ 12帖演劇祭」は助成いただいた熊本県の助成金の募集目処が立っていないため今秋開催に向けクラウドファンディングに挑戦中だ。こんな今だからこそ、やりたい。熊本でひとつでも多くの笑顔が生みだしていきたいと願っている。クラウドファンディングには花習舎3日間提供というリターンもあり、作品を持ってくることでもぜひ熊本を盛り上げてほしい。

地震後、九州、全国から励ましの言葉やご支援をいただき、どんなに言葉を尽くしても感謝の気持ちを表現できない。心寄せてくださる皆さんの思いは確実に熊本の演劇人の原動力となっている。だから、声高に叫ぶ。「がんばるけん!熊本演劇」

ゼロソー 俳優/Sulcambas! 代表/SARCK 代表

松岡優子

2016.04.02

九州戯曲賞の次回実施について(お知らせ)

九州地域演劇協議会では、九州の地域演劇シーン活性化のため九州戯曲賞を平成21年に創設し、これまで7年連続で、戯曲賞を実施してまいりました。

これからの九州の地域演劇シーンの状況を見据え、本戯曲賞は隔年開催することとなりました。つきましては本年は本戯曲賞の募集を行わず、来年の実施を予定しております。

応募を検討いただいておりました皆様には、この場を借りてお詫び申し上げます。

国内には、九州戯曲賞以外にもいろいろな戯曲賞があります。これらの戯曲賞への応募をご検討いただけますと幸いです。

北海道戯曲賞 北海道舞台塾 http://hokkaido-butaijyuku.jp/
せんだい短編戯曲賞 せんだい演劇工房10-BOX http://gekito.jp/
劇作家協会新人戯曲賞 日本劇作家協会 http://www.jpwa.org/
テアトロ新人戯曲賞 株式会社カモミール社 http://www2.odn.ne.jp/teatro-chamomile/
「日本の劇」戯曲賞 日本劇団協議会 http://www.gekidankyo.or.jp/
AAF戯曲賞 愛知芸術文化センター http://www.aac.pref.aichi.jp/

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