2015.04.01

九州戯曲賞、募集要項を公開いたします(平成27年)

九州地域演劇協議会では、
九州の地域演劇の活性化のため九州戯曲賞を平成21年に創設しました。
つきましては、本戯曲賞への作品を募集します。

詳細は、下記募集要綱をご覧下さい。

九州の劇作家からの応募をお待ちしております。

九州戯曲賞 募集概要

・対象作家
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県に在住、またはこの7県を主たる活動の場とする劇作家。

・対象作品
平成26年の1月から12月までに書き下ろした作品。

・大賞賞金
30万円(佳作、奨励賞等の賞を設置することがあります。)

・応募締切
平成27年5月20日(水)(当日消印有効)

・最終審査員
岩松了 中島かずき 横内謙介 岩崎正裕 前田司郎

主催:九州地域演劇協議会 NPO法人FPAP
共催:公益財団法人福岡市文化芸術振興財団
協力:公益財団法人久留米文化振興会|公益財団法人大野城まどかぴあ|公益財団法人佐賀市文化振興財団|長崎市|アルカスSASEBO|一般財団法人大村市文化・スポーツ振興財団|公益財団法人熊本県立劇場|公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団|公益財団法人宮崎県立芸術劇場|公益財団法人都城市文化振興財団|公益財団法人鹿児島県文化振興財団|一般社団法人日本劇作家協会
協賛:株式会社ふくや
公益社団法人企業メセナ協議会 認定

募集要項|pdf
応募票 |pdfword

九州戯曲賞 応募に際してのQ&A(2015/4/22更新)

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2015.03.24

コラム|民と官の共働で育つ演劇活動(大分)

こんにちは! 大分県の片田舎九重町に暮らす小幡です。よろしくお願いします。
私は九重町の演劇活動の起こりについてお話しします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子育て中にコンサートや演劇を親子で観たいと思うと、福岡や大分に一日がかりで出かけるしかない状況だった。母親たちで劇団に招く計画をしても「ホールがなければ・・」と断られるばかり。「体育館でもいいよ」と言われた時、涙が出た。初めて出会った「劇団 風の子」。その舞台を観た親子のはじめる笑顔を忘れることができない。

私たちは「ホールのある文化センターが欲しい」と陳情しながら、町内の体育館を回り年1回の公演活動を続けてきた。平成7年度、文化センター建設がスタートし完成は11年3月となった。当時、私は教育委員会にいたので、杮落しは町に伝わる長者伝説をミュージカルに創作しキャストは町民とすることを提案した。しかし「のど自慢」や「アーティストの招聘」が意見の大半を占め、予算のこと、指導者のことで創作劇などあり得ないとされる意見に押された。センターは誰の為に作られるのか、客席で見ているだけでは町民が主体者にはなれないのではないか、町民が舞台に立ちスポットを浴びる経験こそ施設は私たちの物と実感するのではないかと説得を続ける傍ら、経費を見つけるために県や民間の助成事業を探し、地域創造の助成を取り付けることができた。指導者は県内の大学や新聞社などに協力を求め、台本・演出(県民演劇代表)・音楽(大分大学・県立芸短大)の先生方に了解をもらった。県内の第Ⅰ人者が集い、町民に本気で指導を頂き、3年半の努力で杮落し公演は大成功に幕を下ろした。

制作の途中で芸短大の先生に「歌は本当に下手。うちの学生を使いなさい」と言われて、私は「町民でなければ、町の文化活動は続きませんから」と答えたが、不安はぬぐえなかった。演出は「たとえ100円でも料金を頂く以上、素人だからという甘えは許さない。懸命さが君たちの最大の武器。10年努力すればきっといい舞台になる」と話してくれた。田舎であっても機会に恵まれれば実現する夢があることを知った町民は劇団を結成し毎年1回の公演を続けている。継続していく中で会員は減少していき、キャストの確保に悩みながら、県内の同士とつながりを深めたいと願っている。

今年の2月1日、町制60周年を記念して、町民創作劇「観八翁物語“笑門”積善の家に余慶あり」という郷土の偉人の生涯を描いた作品を上演、1年間の取り組みだった。

脚本・演出は御縁の深い先生方にお願いし、照明・映像など専門的なものを除くスタッフ・キャストは町民で総勢80名を超える大きな舞台となった。今では演劇やミュージカルが町民の中で定着し、資金や宣伝に大きな力を寄せてくれている。

九重町

民と官が共働で作り上げようと努力する姿が九重町民の誇りです。
九州各地で演劇活動を続けられる仲間の皆さんのご活躍をお祈りします。

町制60周年町民創作劇制作委員会事務局
小幡千種

2015.03.20

九州戯曲賞大賞受賞者 木下智之氏によるエッセイが機関誌『wa』vol.65に掲載されています。

福岡市文化芸術振興財団が発行する機関誌『wa』vol.65 Springに、九州戯曲賞大賞受賞者 木下智之氏によるエッセイがに掲載されています。

http://www.ffac.or.jp/wa_organ/

機関誌『wa』vol.65 Spring

セリフからはじめる演劇の話
「私の得意技、歌う捜査法です。のべつまくなし歌います。」
木下智之(現役 九州大学 演劇部所属)

 

 

2015.01.31

コラム|「想い」のゆくえ(佐賀)

佐賀東高校演劇部顧問の彌冨公成(いやどみこうせい)と申します。県高文連演劇専門部では委員長をさせて頂いております。

佐賀東高校演劇部の2014年は、なかなかの多忙でした。青年会議所、佐賀大学医学部、市のPTA協議会、佐賀いのちの電話など、様々な団体からテーマを与えられての依頼公演を行いました。県外では、大阪のすばるホール、道頓堀ZAZAhause、かごしま県民交流センターなどでも公演させて頂き、トータルで新作10作品、のべ22会場での公演となりました。2014年度佐賀県教育長表彰、そして九州高校演劇研究大会でもありがたい賞を頂き、今夏の全国大会(びわこ総文祭)に九州代表として進出することができました。

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私は「いやどみ☆こ~せい」の名で台本の執筆にあたり、昨年書いた原稿用紙を数えると1000枚以上になりました。顧問経験14年目にして過去最高記録かも知れません。そんな私の本業は、国語教師です。ちょっとカタい話になります。高校国語においては近年、「表現力」なるものの伸長が求められており、それが「生きる力」育成のカギを握るとされています。小中学校でも「上手に表現すること」が求められ、広用紙(今は電子黒板)を指さしながら、「大きな声で」「わかりやすく」「論理的に」説明する力、討論で「相手を説得させる」力を身に付けるための授業が展開されています。「自分の考えを積極的に述べよう!」「相手を説得できるようになろう!」なんてことを目標にするわけです。積極性があり理論武装をした大人たちがあちらこちらに棲む未来は……ちょっと怖いですよね。それに、日本が大切にしてきた『謙譲の美徳』(佐賀由来の『葉隠れの精神』なんてものもありますが……)、そんな感覚も薄れていきそうな気がしなくもありません。ですが実際は、皮肉なことですが、そういった心配は要らないようです。なぜなら、「想いを自由に表現しよう」なんて言われても、彼らの多くが「もともと『想い』なんて持っていない」という、根本的な問題を抱えているからです。

東京医科歯科大学の調査によると、最近「味覚障害」の子どもたちが急増しているそうです。「甘い」「苦い」などの味覚を認識できない子どもが30%にものぼるとのこと。「子どもが同じようなものばかりを食べている」ことが原因らしいのですが、なぜそうなるかというと、「親が子どもに『今日はどんなものを食べたいの?』と聞いてしまうから」だとか。子どもの側からすると「食べたことのないもの」はリクエストのしようがありませんので、いつも似たようなメニューのローテーションになる。子どもたちが「自由」に「好きな」ものを食べられるようになった結果、複雑な味を感知するセンサーが働かなくなってしまったのです。

「味覚」と「感受性」を一緒にしてはいけないのかもしれませんが、強制されることなく自由に好きなものに触れることのできる子どもたちは、興味外のものに触れる機会を逃し、得られるべき多様で有益な感受性を得られずに生きているのかも知れません。「想い」のバックグラウンドとなるもの……知識や体験、感じ取るセンサーの欠如。「表現力の育成」のためにアウトプット(出力)の質を向上させようと躍起になってはみたものの、子どもたちの「想い」の根源となるものをうまくインプット(入力)させられていない……。「自由」という魔法の言葉や、学校教育のこういった弱さも、子どもたちの「感受性障害」に拍車をかけてしまっているのです。

去年の春のことです。

「世界遺産候補『三重津海軍所』」を扱った劇を書いて欲しい」という突拍子もない依頼が来ました。「顧問も生徒も郷土の歴史のことをよく知らないので、資料をください。」と申し出たところ、DVD1枚と薄いパンフレットを頂きました。ですが1時間の芝居を創るには情報不足でした。図書館に行っても参考となる文献はありません。切り札であるはずのインターネット情報は、パンフレットと同じ。地元の歴史に詳しい方に聞いても、「あまり文献が残ってないんですよね」とのこと。「インプット」できるものが圧倒的に足りない状態で、県や地域の「三重津海軍所の世界遺産登録を目指す」熱心な方々を前に芝居を上演せねばならない。困りました。

「調べても情報がないのなら、現場に。三重津海軍所跡地に行ってみよう!」

生徒の一言がきっかけで、皆で自転車をこぎ、現地に赴きました。河川敷まで来ましたが、案内の看板などはありません。公園に自転車をとめ、スマホで位置を確認しました。

「もう少し下流だろ。」
「あの橋の下あたりが怪しい。」

建物の跡や石碑などがないかを、散々歩いて探しました。しかし、何もありません。日が沈み出したころ、一人の生徒がスマホで古地図らしきものを見ながら声を上げました。

「場所、わかった!」
「え、どこよ。」
「さっき自転車置いた公園。」
「……は?」

佐賀の未来を担うべく、佐賀藩の誇り高き有志たちによって建造された海軍訓練所は、石碑ひとつ残すことなく広場になっていたのです。「○○病予防の劇」や「○○防止の劇」などをいくつか書いてきた私も、さすがに行き詰まりました。そんなとき、生徒たちが口々につぶやいたのです。

佐賀東3resize

「どうして壊したんだろう。」
「残す意味を感じなかったのかな。」
「それはないでしょ。日本で初めて実用的な蒸気船を造った海軍所だよ。」
「『葉隠れの精神』とか?派手に誇ることを好まない佐賀人の性格?」

「軍事的な建造物は、敗戦の際に壊されたんじゃない?」
「平和のためってこと?まさか。」
「てか……、壊されて悔しくなかったのかな。」
「誰が?」
「ここで生きてた人たち。」

この子たちにはもともと「佐賀への誇り」などはありませんでした。でも日本で最初に造られた実用型蒸気船「凌風丸」は現存せず、日本に誇るべき業績を有明海の泥にまみれながら積み上げてきた海軍所は、150年後の今、小さなジャングルジムになっている。そのことへの疑念、悔しさ、哀しさが、彼女たちの魂を揺さぶりました。「インプット」できるものはありません。ですが、未来のために積み上げてきたものが壊されてしまった佐賀藩士たちの「痛み」を想像し、彼ら勇士たちが想いを託したはずの「未来の佐賀人」としての使命を感じながら、今の自分たちにしか語れない「想い」をつくり上げていったのです。

「ものはなくても、想いはつながる。私たちが『演劇』で残せば、佐賀藩士たちの想いは未来に受け継がれる。」

その芝居は「やる気のない高校生たち」が、地域からの要望で強制的に「凌風丸の模型を造らされる」ところから始まります。高校生たちは暇つぶしに皆で自転車こいで海軍所跡に向かいます。でもたどり着いたところはちっぽけな公園……。

「三重津海軍所、どうして壊したんだろう……。」

誰かがつぶやき、過去と現在が交錯しながらストーリーは進んでいきます。佐賀に生きる高校生として、何を感じ、あのだだっ広い『遺産』に立って、何を『想った』か……。そのまま素直に表現しました。

こうして、佐賀東高校演劇部作『明日のきみへ』が完成。8月中旬の大阪、そして8月24日の佐賀城にて公演となりました。

「私、将来は佐賀で働いて、佐賀の劇団に入りたいな。」

佐賀東2resize「東京」やら「関西」やらを口にしていた生徒が、この劇を終えてからそっとつぶやきました。刷り込みも感化もありません。与えられなければきっと知るはずも、想像するはずもなかったこと。でもそこから生じた衝動を起点にして、大切な人生を考えたのです。

「積極的に想いを表現しなさい」とせき立てられ、戸惑えば「何でも、自由にいいんだよ」と微笑まれる。いよいよ切羽詰まったときには「コピペ」に頼ればい。そんなことを繰り返していくうちに、自分には「想い」がないことに気付く。でも、なんとなく生きていける。若者にとっては、そんな時代です。

一方演劇に携わる高校生たちは、昨今問わず、「表現すること」を自らに課さねばなりません。「どんな劇をしようか」と話し合ったところで、何かしらのバックグラウンドとなるものがどこにもない……。「ならば体験をモトに書こう」となると、「いじめ」や「SNSでのトラブル」などに行き着く。気合いを入れて稽古し、演劇祭に出してみると、他校も同じような舞台を上演していた……。そんなことが多々あります。ですが、「芝居作り」なんて特異な体験をしない限りは、彼女たちは「スマホばかりを見ていた自分の横顔と真剣に向き合う」なんてことはなかったはずで、「人に見せる芝居」としての価値はともかく、その芝居を通じて自身が多くの何かを得ることになるのです。

高校演劇を「枠にはめて創ったもの」「自由のないもの」だと卑下してしまう人もいます。そう言われても仕方のない部分もあります。でも、そんなどこにでもありそうな芝居ひとつひとつは、数少ない「インプット」にしがみつきながら、「それでも自分の『想い』を表現しなければ!」と必死にもがいている、闘いの結晶でもあるのです。しがみついて、道に迷って、時には興味外からの強引な要望に応えながら、でもそうやって世界を広げていけば、もっと人生を楽しめる人間になれるかもしれません。結果、単なる自己満足になるでしょう。でも、人間が自己満足を否定したら、「じゃあ何のために生きてるの?」ということになってしまうと思うんです。彼女たちが「周囲を楽しませること」に満足を見出せるようになってきたら、世界もほんの少しだけ幸せになると思います。

授業が終わると、いつもの日常が待っています。

「先生、次の劇、どんなのにします?」
「どんなのでもいいよ。お前らはどんな劇がしたいの?」

稽古場で寝転びながら私は、結局はこんな大人の決まり文句を吐き、部員たちは笑いながらこう返します。

「じゃあ、先生の想ったことを『自由に』書いてください。」

2014年は、「与えられた」年でした。「生かされた」年でした。
でも、部員も私も、いつも以上に「生きた」年でした。
今年も幸せな日々を生きていこうと思います。

佐賀県高文連演劇専門部委員長・佐賀東高校演劇部顧問
彌冨公成

2015.01.11

「義務ナジウム」(作・河野ミチユキ)が熊本、東京で上演されます。

2011年に九州戯曲賞で佳作を受賞した「義務ナジウム」(作・河野ミチユキ)が、日本劇団協議会のステップアップ・プロジェクトにて、熊本、東京の2地域で上演されます。

文化庁委託事業 平成26年度戦略的芸術文化創造推進事業
ステップアップ・プロジェクト
「義務ナジウム」
作・河野ミチユキ
演出・古城十忍

■熊本公演
日時:2015年1月17日(土)14時/19時、18日(日)14時
会場:熊本市男女共同参画センターはあもにい 多目的ホール
(熊本市中央区黒髪3丁目3番10号)
料金:前売り2,000円 当日2,500円、高校生以下1,000円

■東京公演
日時:2015年1月23日(金)19時、24日(土)14時/19時、25日(日)14時
会場:劇場MOMO(東京都中野区中野3-22-8)
前売り3,000円 当日3,500円、高校生以下2,000円

http://www.gekidankyo.or.jp/performance/2014/2014_09.html

2015.01.09

第6回九州戯曲賞 関連企画トークイベント ~劇作家を知り、戯曲の声をきく~が開催されます。

1月11日(日)に大野城まどかぴあで「第6回九州戯曲賞 関連企画トークイベント ~劇作家を知り、戯曲の声をきく~」が開催されます。

受賞者の幸田真洋氏、木下智之氏、最終審査をされた中島かずき氏、古城十忍氏の4人を招いて大賞作品の魅力や、劇作の際のこだわりや裏話をお話頂きます。
トークの他、受賞作品の「となりの田中さん」、「喜劇ドラキュラ」の一部をリーディングで上演、書籍の販売も行います。

開催日時   2015年1月11日(日) 14:00開演/13:30開場
会場      大野城まどかぴあ小ホール(2階) 全席自由
料金 一般  500円(前売・当日同料金)

第6回大賞受賞者
幸田真洋(劇団HallBrothers/福岡)『となりの田中さん』
木下智之(九州大学演劇部/福岡)『喜劇ドラキュラ』

第6回最終審査員
中島かずき(劇団☆新感線 座付作家)
古城十忍(劇作家・演出家)

ナビゲーター
佐々木達也(朝日新聞社 記者)

リーディング公演出演
劇団アントンクルー(演出:安永史明)

詳細はこちら

2015.01.01

九州戯曲賞受賞作品「となりの田中さん」(幸田真洋)、「喜劇ドラキュラ」(木下智之)郵送販売の取扱を開始します。

九州戯曲賞受賞作品「となりの田中さん」(幸田真洋)、「喜劇ドラキュラ」(木下智之)の郵送販売を1/4より開始いたします。(数量限定。無くなり次第終了)

1冊1500円(税・送料込)
書籍

下記のフォームより必要事項を入力の上、
銀行(振替手数料はご負担ください)にて、お振り込みください。
振込口座はフォームでのお申し込みを受けた後、
返信メールにてお送りいたします。

ご希望の方は、下記リンク先メールフォームよりお申し込みください。
完売いたしました。ありがとうございます。
お申し込みメールフォーム(外部リンク)

2014.12.10

九州戯曲賞受賞作品が書籍となりました。

九州戯曲賞受賞作品「となりの田中さん」(幸田真洋)、「喜劇ドラキュラ」(木下智之)が1冊の書籍となりました。

下記の会場にて、1冊1500円で販売いたします。

2014年12月10日(水)-12月23日(火)
ぽんプラザホール 劇団HallBrothers「となりの田中さん」上演ロビー

2015年1月11日(日)
大野城まどかぴあ 第6回九州戯曲賞 関連企画トークイベント ~劇作家を知り、戯曲の声をきく~

書籍

2014.12.08

九州戯曲賞 受賞作品「となりの田中さん」(脚本・幸田真洋)が再演されます。

2014年に九州戯曲賞 大賞を受賞した作品「となりの田中さん」(脚本・幸田真洋)が12月11日より、ぽんプラザホールにて再演されます。
12月21日(日)14:30の公演終了後には、九州戯曲賞で最終審査をされた岩松了氏をゲストに迎えたアフタートークも開催されます。

劇団HallBrothers
「となりの田中さん」
脚本・演出 幸田真洋

日程:12月11日(木)-23日(火) ※12月10日(水)はプレビュー公演
会場:ぽんプラザホール(福岡市博多区祇園町8番3号)
料金:前売り1,800円 2,000円 ※各種割引あり

予約・問合せ
劇団サイト http://www.h-bros.net

となりの田中さんflyer

2014.11.16

コラム│賞に応募を続けて見えてきたこと(福岡)

福岡を拠点に活動している劇団HallBrothers主宰の幸田真洋です。

劇団HallBrotgersは1999年に結成。今年で15年になります。そしてその節目の年に、九州戯曲賞大賞をいただきました。やったー!…年甲斐もなくはしゃいでしまいました。すみません。
7月に受賞してから今まで、ずっとはしゃぎっぱなしです。やはり、率直に嬉しい。
過去四回応募してきましたが、一度も最終選考に残ることはなく、つまり全くかすりもせずに落選してきました。
それが初めて最終選考に残ったかと思ったら、大賞まで頂いたのですから・・・嬉しいに決まっています。もう一回はしゃぎます。やったー!

・・・とはいえ、もしかしたら、これが奇跡の一回だったのかもしれません。

なんてことを考えると
「この先、大丈夫だろう?ちゃんと良い作品が作れるのだろうか」
とドキドキしてしまいますが、いやいや、そんなことはないと自分に言い聞かせています。
四度落選した経験が、地力を高めてくれたはずだ、と。

授賞式

一番最初に応募したのは2008年の第一回の時でしたが、当時は、今思うと何も考えていなかったです。なんとなく本を書いて芝居を作っていました。
それなのに根拠のない自信ばかりありました。最終選考くらい、軽く残るだろう、と。
それがあえなく惨敗。
送られてきた一次審査員の講評を見て、初めて自分の考えの足りなさ、浅さに気付きました。

人間は自分が見たいものしか見えません。
その事に気付かせてくれるのは、他人からの客観的な評価です。
「あ、そういう見方、してなかった・・・」
「そんな細かいとこ、考えてなかった・・・」
「そういうところまで考えなくちゃダメなの・・・?」
などなど・・・
自分に都合のよいようにしか戯曲を見ていなかった事に気付かされました。

それから、僕は生まれ変わ・・・れませんでした。
「でも、お前に見る目ないんじゃないの?」
など、自分に都合がいいように言い訳を重ねてきました。
そして、知り合いの演劇人が最終選考まで残るのを見るたびに、嫉妬と悔しさばかり募らせていったのです。

けれど、さすがに何度も落選していると、自分に問題があるのではないかという事を認めざるを得なくなりました。

それから、自分の作品に対しての見方が少しずつ変わっていき、結果に繋がったのかな、と思います。

言い訳したり、あきらめたり、考えなかったり、甘い自己弁護だったり・・・
戦わなければいけないのは自分だという事に気付かせてくれた九州戯曲賞は、僕にとって大きな存在です。

となりの田中さん初演

そして、新たな出会いの場にもなりました。
受賞作『となりの田中さん』を12月11日(水)から23日(火・祝)まで、ぽんプラザホールでロングラン公演をするのですが、その中で最終選考委員を務めていただいた岩松了さんとアフタートークをさせていただくことになりました。

岩松さんに芝居を観てもらえて、その上、アフタートークまでしていただけるなんて、九州戯曲賞がなければ実現しなかったことです。

最後に、こういう機会を与えてくださった九州戯曲賞を支えるすべてのみなさま、ありがとうございました。

(劇団HallBrothers主宰 幸田真洋)

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